制作会社との違いは具体的になんだろう?
Webディレクターは、大雑把にいうと関係者取りまとめて制作進行をする人なんですが、所属する会社ごとに求められる力が変わってきます。
特に「制作(受託)会社」と「事業会社」で大きく変わってきます。
この記事では特に事業会社にスポットを当て、webディレクターが事業会社で求められていることや、事業会社で働くメリット・デメリットを紹介します。
業務の一環で採用もしており色々なタイプのwebdディレクターを見てきました
IT系の事業会社とは?制作会社との違いは?
IT系の事業会社とは、「自分達で企画をしたサービスを運営して利益を上げる」会社のことです。
有名どころだと例えばこんな会社です。
- 楽天グループ
楽天市場や楽天トラベルといったサービスを運営 - Yahoo!
Yahoo!検索やYahoo!ショッピングといったサービスを運営 - リクルート
ホットペッパーやsuumoといったサービスを運営
制作会社が他企業の課題を解決して利益を得る会社に対し、事業会社は自分達で課題を発見して解消して利益を得ます。
他にも特徴を上げるとこんな感じ。
スケジュール | 責任範囲 | |
---|---|---|
事業会社 | 自分達で決める | 成果を出すまでがゴール |
制作会社 | 相手ありき | に納品がゴール |
事業会社のwebディレクターの仕事
ここからは具体的に事業会社のwebディレクターがどういった仕事をしているのかを紹介します。
- 企画・課題定義
- 要件定義・仕様書の作成
- スケジュールの決定
- 制作進行
- リリース後の効果測定
- 効果測定結果の発表
Step1.企画・課題定義
まず初めに企画・課題定義から始まります。
企画・課題定義では自分達が何をするのか、どういった課題を解決するのかといった利益を上げていくために新しいサービスを作るべきなのか、作るとしたらどのくらい予算が必要でどの位利益(またはメリット)が見込めるかを考えます。
この時点では色々な職種な人が集まって様々な角度から考えます。
企画を検討する人たちは、例えば新しいサービスを作ったり機能を加えたりすることが具体的にどの位大変か・時間がかかるのかがわからないケースが多いです。
webディレクターが参加する際は、主に作りやリリースまでどの位かかるのかといった観点から意見を出します。
Step2.要件定義・仕様書の作成
何をするか決めたら、要件定義・仕様書の作成に入ります。
サービスや機能を実現するために何を考えればいいのか、具体的にどういった仕様に落とし込むかをエンジニアやデザイナーと一緒に考えるフェーズです。
Step3.スケジュールの決定
検討した要件・仕様書をもとにエンジニアやデザイナーにスケジュールを確認します。
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大抵は複数同時にプロジェクトが走っているため、優先度を見直し、時には既存で動いているプロジェクトのスケジュールをずらして調整する場合もあります。
もちろんスケジュールは現場のwebディレクターやエンジニアだけで決めるのではなく、上長や企画立案をした人にも承諾を得ながら進めます。
Step4.制作進行管理
スケジュールが決まったら予定通りに制作が進行しているかを管理します。
この段階ではwebディレクターが手を動かして何かする、ということは少ないです。
定期的にスケジュールを確認し、進捗具体を上長などに報告をします。
Step5.リリース後の効果測定
事業会社のwebディレクターは、サービスや機能をリリースしたら仕事が終わりではありません。
リリース後は当初の狙い通りだったかの効果測定を実施します。
初めに企画した目的が達成しているかどうか、達成していなかったらどのページでどの位つまづいているのか、どうやって改善すればいいのか・・・。などを効果測定から分析をして次のアクションにつなげます。
Step6.効果測定結果の発表
効果測定が完了したら、関係者に発表をし次のアクションをどうするかを決めていきます。
次は私が実際に事業会社で働いて感じたメリット・デメリットを紹介します。
webディレクターが事業会社で働くメリット
- どんなことをするかから決められる
- スケジュールに融通が効く
- サービスに深く関われる
どんなことをするかから決められる
利益を上げていくためにどんなことをすればいいのか、といったところから携わることができます。
スケジュールに融通が効く
自分達でやることを決めていくため、優先度調整も自分達で柔軟に決めることができます。
もちろんスピード感を持って進めていく必要はありますが、案件が差し込まれても無理して進めることは少ないです。
現実的なスケジュールを加味して優先度調整をして、リリース時期を遅らせるといった判断をすることができます。
サービスに深く関われる
リリースして終わりではなく、リリースしてからがスタートです。
サービスをよくしていくために日々の数値やトレンドを追いかけながら、ユーザーの課題を見つけ細かな改善を積み重ねていきます。
webディレクターが事業会社で働くデメリット
- 細かい運用が多い
- 一つのサービスの比重が大きいため、色々なことをやりたい人には向かない
細かい運用が多い
リリース後もサービスに関わることはできますが、サービスを維持していくために細かい運用業務が意外と多いです。
大きな仕事がしたかったり、細かい業務が苦手な人はもしかしたら辛いかもしれません。
一つのサービスの比重が大きい、色々なことをやりたい人には向かない
一つのサービスに深く関われる反面、そのサービスに特化してしまうことはデメリットの一つです。
事業会社で色々なサービスに携わる場合、自分の役職がマネジメントレイヤーまで上がらないと中々実現できません。
日々の運用業務などもあり、1ディレクターとして複数のサービスを作っていきたい方には不向きかもしれません。
まとめ
以上、webディレクターが事業会社で働くメリット・デメリットを紹介しました。
作って終わりではなく成果を出すために細かいことを積み重ねてサービスを成長させるのが事業会社の醍醐味。
事業会社への転職を検討している人にとってこの記事が参考なれば幸いです。