書評:リサーチデザイン、新・100の法則 Research & Design Method Index|デザインリサーチのリファレンス本として最適な一冊

リサーチデザイン、新・100の法則

こんにちは、びずろぐです。

仕事ではwebのプロダクト開発に関わっている私。
プロダクトに対して、どんな機能が必要で、どんなデザインがいいのかを日々考えてます。

今までは主に数字をもとに考えていたわけですが、最近は数字を分析する以外のリサーチが増えてきました。

「リサーチ」と一口に言っても、様々な手法があります。
また目的によって「どんなリサーチ手法を選択するのか」といったことが大事になってきます。

今まで数字分析以外のリサーチをあまりやったことがなかった自分、リサーチについての知識の必要性を感じていました。

リサーチの手法がまとまった本とかないかな・・・

そんな時に出会ったのが今回紹介する「リサーチデザイン、新・100の法則(英題:Research & Design Method Index)」でした。

デザインリサーチの手法を網羅的に把握したい人におすすめ

リサーチデザイン、新・100の法則はこんな人におすすめです。

こんな人におすすめ
  • 製品開発関わっている人。リサーチャー・webディレクター・プロデューサー・デザイナー・マーケター
  • すでにリサーチの業務をやってるけど、業務で行っていること以外のリサーチ手法を知りたい人
  • すでにリサーチの業務をやってて、リファレンス本として手元に置いておきたい

リサーチデザイン、新・100の法則(英題:Research & Design Method Index)の構成

本書は100個のリサーチ手法を掲載しています。
1つのリサーチ手法に対して、見開き2ページをつかって紹介しています。


出典:amazon

左に解説文/右に実践した際のイメージ図を掲載しています。

元々は英語ですが、日本語への翻訳は非常に分かりやすくされています。

本書が優れているなと思った点

本書では手法をただ紹介するだけではなく、どの段階で手法を使用すべきか、5段階で明記されているのが特徴です。

5段階
  1. プランニング、方向性の絞り込み、課題の定義
  2. 調査、統合、関係性の理解
  3. コンセプトの創造、プロトタイプの生成および改良
  4. 評価、修正、生産
  5. 発表とモニタリング

リサーチは、「知りたいことを知るための手段」に過ぎません。
一番大事なのは自分が何を知りたいかを明確にして、ユーザーにとってより良いデザインを作成すること、なわけですね。

本書のようにどの段階で実施すべきリサーチ手法なのかを明記するという構成は、リファレンス本としての使い勝手を上げてくれていると感じました。

本書から私が得られたこと

本書から私が得られたことは主に2点。

私が得られたこと
  • シンプルにリサーチの手法についての知識が広がった
  • すでに自分が実践したリサーチ手法も、他のリサーチ方法と合わせてみると違った気づきが得られる

シンプルにリサーチの手法についての知識が広がった

私が今まで業務で行ってきたのは「A/Bテスト」や「サイト内分析」といったもの。
それ以外にも、リサーチの手法が世の中にこんなに沢山あるとは・・・と、改めて思いましたね。

どんなフェーズで実践すると効果的かと言ったことも書かれているため、

このリサーチはこの段階で必要そうだな・・・

ということが具体的にイメージをすることができました。

すでに自分が実践したリサーチ手法も、他のリサーチ方法と合わせてみると違った気づきが得られる

本書は100のリサーチ手法が紹介されています。
その中には自分が今まで実践してきたリサーチ方法についても紹介されています。

実践してきたからまぁだいたい分かるだろ・・・と思ってはいましたが、他の他のリサーチと合わせてみるとまた違った気づきが得られます。

例えば「A/Bテスト」。

A/Bテストとは?
ひとつのデザインについて複数のデザイン案を用意し、どのデザインが指標に最も合致するかを比較する手法のこと。

例)ボタンの色を「赤」「緑」「オレンジ」に分け、どの色のボタンが一番クリックされるかを調査する

本書では、A/Bテストは「どのデザインがいいかは分かるが、何故いいかがわからない。そのため、A/Bテストは質的調査法を補足するための手法として利用することが望ましい」と書かれています。

他にも、各ページには関連するリサーチ手法も掲載されています。

自分が業務で経験したことのあるリサーチでも、知識を関連づけることができますね。

100個も把握する必要はある?私の読み方

さて、本書について紹介してきましたが、リサーチの知識だけ身につけても実践しないと意味がありません。
一番大事なのは自分が何を知りたいかを明確にして、ユーザーにとってより良いデザインを作成すること、なわけですね。(2回目)

リファレンス本として活用しようとしても、リサーチの目的を抑えておかないとリファレンス本としての機能が落ちてしまいます。

とは言え、仕事上実践する機会がないリサーチ手法も掲載されているので読んでもピントこないこともしばしば・・・。

ということで、リファレンス本としての使い勝手を上げるために実践した「私の本書の読み方」を紹介します。

STEP.1
流し読みする
本書をざっと読んで、大まかにリサーチの目的を抑えます
STEP.2
リサーチ方法を3つに分類する
  1. すでに実践したことのある・またはよく知ってるリサーチ手法
  2. 実践したことはないけど、業務で役立ちそうなリサーチ手法
  3. 実践する機会がなさそうなリサーチ手法
STEP.3
もう一回読む
分類した手法の中から「2.実践したことはないけど、業務で役立ちそうなリサーチ手法」をもうちょっと詳しく調べる

まとめ

以上、「リサーチデザイン、新・100の法則(英題:Research & Design Method Index)」でした。
リサーチについての知識を広げたい人や、リサーチ方法を選択するときにリファレンス本として手元に置いておくと有効な本です。

本書について
  • 100個のデザインリサーチの手法が紹介されている
  • 各リサーチの手法はどのフェーズで行うかも明記されているのでリファレンス本として使い勝手がいい
  • 一度ざっと読んでリサーチの目的を大まかに把握しておくと直よし
こんな人におすすめ
  • 製品開発関わっている人。リサーチャー・webディレクター・プロデューサー・デザイナー・マーケター
  • すでにリサーチの業務をやってるけど、業務で行っていること以外のリサーチ手法を知りたい人
  • すでにリサーチの業務をやってて、リファレンス本として手元に置いておきたい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

CAPTCHA